2011年11月27日

『太平記』



9カ月振りの更新。

永年のタブーを破り、1991年に放映された大河ドラマ「太平記」

人物評価が難しいところではあるが、現代人が太平記から
学ぶものは何か?

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私が最も好きな大河ドラマは、1991年に放映された「太平記」
である。
戦国ものは主人公を代えて何度も放映されているが、南北朝を
扱ったのは初めてであった(ドラマは足利尊氏の死まで)。
思想的な問題もあり、永年タブー視されていたのがようやく放映に
なり、待望の一作として20年前に見た記憶がある。

20年前に放映された「太平記」を何故採り上げたかというと、
今、CSで「太平記」が再放送されているのを見たからだ。
改めて見ても面白い。

登場人物が若いことに20年という月日の長さを感じた。
真田広之、沢口靖子、柳葉敏郎、宮沢りえなど。
特に宮沢りえは「江」にも出演しているが、「太平記」に出演
しているころのなんとあどけないことか。
また、今は亡き俳優が何人も出演している。
緒形拳、フランキー堺、児玉清など。
特に緒形拳、フランキー堺の演技はよかった。

以上は余談。

「太平記」の再放送をきっかけに、関連する本を読み返してみた。
吉川英治の「私本太平記」と井沢元彦の「逆説の日本史」6,7だ。

同じ本でも、若い頃読むのと年齢を重ねてから読むのとでは
感じるものが変わってくる。
歴史物は単なる過去の出来事というだけでなく、現代社会に通じる
ものがあるように思える。


まずは鎌倉幕府の倒幕。
後醍醐天皇を旗頭に様々な武士、公家が倒幕に立ち上がった。
武士では、足利尊氏(当時は高氏)、楠木正成、新田義貞、
名和長年、赤松円心など。
公家では、護良親王、千種忠顕、北畠親房など。
倒幕という目標を達成するまではよかったが、その後は
バラバラになってしまった。
それは、それぞれが倒幕後に目指す理想が違っていたからに
ほかならない。
後醍醐天皇が行った「建武の新政」が社会のニーズに合って
いなかったことが最大の原因であろう。
そうして、「南北朝」という混乱の時代に突入していくのである。

目標を達成するまでは一致していても、達成後はバラバラに
なってしまうのは、現代でもよくあること。

政権交代を旗印に総選挙で勝利した民主党が内紛などで国民に
愛想をつかされたのがいい例であろう。

「建武の新政」の失敗を見ると、
トップにある者は、組織の構成員を一つの方向性に向かわせる
ことをしなければならないが、そのやり方はトップの独りよがり
ではだめで、ニーズに応えるような方針を打ち出さなければ
ならない
ことがわかる。

次に、逆の立場から見たらどうなるか。

当時の武士の中で、先を見通せる能力があったのは、
足利尊氏と楠木正成の二人であろう。
両者とも後醍醐天皇を敬う気持ちを持ちつつも、後醍醐天皇の
政治では立ち行かなくなるであろうことを予測していた。
そのとき、両者はどういう道を選んだか?

ご存知の通り、足利尊氏は後醍醐天皇に叛旗を翻し、
武家政治を行うべく、室町幕府を創設した。
一方、楠木正成は後醍醐天皇に殉じる道を選んだ。

足利尊氏は源氏の名門で、押しも押されぬ武家の頭領。
好むと好まざるとにかかわらず、建武の新政に対する
武士の不満を一手に引き受けることになる。
武士にとっての期待の星は、足利尊氏しかいなかったのだ。
武力を持たない朝廷が武士を軽んずる政治を行なっても
うまくいくわけがない。

楠木正成はそれが分かっていたので、後醍醐天皇に足利尊氏との
和睦を勧めたりするが、受け入れられなかった。
そうして、負けることが分かっていながら後醍醐天皇に
殉じる道を選ぶのであった。

「逆説の日本史7」で、井沢元彦氏はこう述べている。
「いかに忠臣義士が支えようとしても、君主が不徳の人なら
何をやってもダメ」
ということなのである。

自分の身に置き換えた場合、日本全体の行く末を左右する場面
には遭遇しないかもしれないが、もっと小さい範囲で、
足利尊氏や楠木正成の立場に立たされることはありえる。

例えば、○○会社や○○部や○○課の中でトップの示す
方針がおかしいとか、トップが暴走しているとか。

そのとき、皆様ならどうしますか?
足利尊氏の道を選ぶのか、楠木正成の道を選ぶのか、それとも
他の道を選ぶのか?
このような場面に思い当たる節がある人はいるのでは
ないでしょうか?

最後に、後醍醐天皇の下の立場としての足利尊氏について
述べましたが、幕府を開いてからはどうだったのか?
これはまたの機会に述べることにしましょう。

逆説の日本史〈6〉中世神風編 (小学館文庫)

私本太平記(一) (吉川英治歴史時代文庫)

太平記〈上〉―マンガ日本の古典〈18〉 (中公文庫)

太平記〈1〉 (角川文庫)


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posted by yamataka at 11:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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