2010年01月23日

『坂の上の雲』7,8



日露戦争は陸海軍ともクライマックスを迎えようとしています。
すなわち、奉天会戦と日本海海戦です。

秋山兄弟他、陸海軍はいかに戦ったか。
ここに日露戦争と物語が完結します。

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陸軍では、最後の決戦と想定される奉天の大会戦が目前に
迫っていました。
日本陸軍は幾多の戦いの度、兵力を失っていたのに対して、
ロシアはシベリア鉄道で兵力増強が可能な状態。
もうこれ以上は戦えず、何としても奉天会戦を最後の戦いに
したいところでした。

奉天会戦では日本軍は苦戦続きでしたが、ロシア軍は退却して
しまいます。ロシア陸軍を率いるクロパトキンは敵を過大評価
するところがあい、クロパトキンは自らの性格に敗れたのです。

大山巌児玉源太郎はクロパトキンの性格を見越した上で
作戦を立てたのは見事でしたが、一か八かの危険なかけに
成功したとも言えます。

余力のない日本は講和の道を探りますが、不調に終わりました。
日露戦争の結果は、バルチック艦隊との決戦に委ねられる
ことになったのです。

一方、日本海軍に与えられた使命はバルチック艦隊の全滅。
これはかなり困難な使命ですが、それを達成すべく秋山真之
昔の水軍の戦法を参考にし、七段構えの作戦を考案し、
それが採用されることになりました。

ただ、問題はバルチック艦隊が日本海ルートをとるか、
太平洋ルートをとるかです。
大部分の人は悩み、待機場所を変えるべきだと考えるように
なりました。あの秋山真之ですら決心がつかなかったそうです。

その中で必ず日本海ルートをとると確信を持っていた人も
いました。その一人が指令長官の東郷平八郎です。
東郷平八郎の不動の確信・決意が海軍全体に安心感を
もたらしたのは事実でしょう。

結局、バルチック艦隊は日本海に現れます。
開戦にあたり、有名なのが海軍が大本営に打った電報です。
飯田少佐の草稿は、
「敵艦見ユトノ警報ニ接シ、聯合艦隊ハ直ニ出動、之ヲ
撃滅セントス」でした。
これに秋山真之が加えたのが、
「本日天気晴朗ナレドモ浪高シ」で、名文と言われています。

これは単なる美文ではなく、これから行われる予定の海戦は
日本にとって有利であることを示しているのです。
つまり、射撃技術は日本がロシアを上回っていますが、
視界が良好で浪が高く戦艦が大きく揺れる状態は日本にとって
有利に働くということです。

さて、日本海海戦では日本海軍の完璧な勝利となりました。
海戦でこのような結果になるのは史上例がありません。

この小説では、やはり日本海海戦の描写が最も見事だったと
思います。
思わず本の中に引き込まれ、まるで自分がバルチック艦隊と
戦っているような錯覚に陥り、一気に読んでしまいました。

読み終わった後は、秋山真之と同じように虚無感に
襲われました。

7、8巻を読むにあたってのテーマも、
「理想のリーダーとは何か」ということに置きました。

7、8巻での理想のリーダー像は何と言っても東郷平八郎です。
確固たる信念、ぶれない軸、決断力、これらが部下に安心感と
信頼感をもたらしたことでしょう。
作戦面は秋山真之に任せました。
そして、秋山真之は見事にそれに応えたのです。
東郷と秋山は名コンビだったと言えるでしょう。

「坂の上の雲」は司馬遼太郎の作品の中で最も好きな作品であり、
何度も読み返したい小説です。

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バックナンバー

2009.11.22 『坂の上の雲』
2009.12.27 『坂の上の雲』1,2
2009.12.30 『坂の上の雲』3,4
2010.01.10 『坂の上の雲』5,6

参考書籍

坂の上の雲 第1部―NHKスペシャルドラマ・ガイド (教養・文化シリーズ)


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posted by yamataka at 09:12 | Comment(0) | TrackBack(1) | 歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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