2009年12月31日

『荒ぶるをつかめ!早稲田ラグビー主将たちの苦闘』



「荒ぶる」とは、早稲田大学ラグビー蹴球部が大学選手権で
優勝したときのみ、歌うことが許される部歌です。
早稲田ラガーにとって一生の重しになるもので、4年生のときに
優勝できないと、結婚式に「荒ぶる」を歌うこともできません。

そんな「荒ぶる」への思いを8人の主将経験者が語ります。
ラグビーファン必読の一冊。

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2000年度までは低迷していた早稲田ラグビー。
2001年度から見違えるようなチームになり、8年連続で
大学選手権の決勝進出。
そのうち5回優勝しています。
再び黄金時代を築きました。

そのときの8人の主将がいかに戦ったか。
8人の熱い思いが伝わってくる一冊です。

清宮監督、中竹監督の著書を読んで、監督の視点でのチーム作り
は理解しましたが、主将の視点での記述は新鮮でした。

その8人と、決勝戦の成績です。
2001年度 左京泰明  準優勝 早稲田大 16-21 関東学院大
2002年度 山下大悟  優勝  早稲田大 27-22 関東学院大
2003年度 太田尾竜彦 準優勝 早稲田大  7-33 関東学院大
2004年度 諸岡省吾  優勝  早稲田大 31-19 関東学院大
2005年度 佐々木隆道 優勝  早稲田大 41- 5 関東学院大
2006年度 東条雄介  準優勝 早稲田大 26-33 関東学院大
2007年度 権丈太郎  優勝  早稲田大 26- 6 慶應義塾大
2008年度 豊田将万  優勝  早稲田大 20-10 帝京大

私なりにこの8年間を振り返ってみます。

低迷が続いており、大して期待していなかった2001年度。
早慶戦で54-21で勝ったのを見て、今年の早稲田は強いと
思いました。
ロスタイムで逆転した早明戦もいい試合でした。
「もしかしたら優勝できるかも」と期待しましたが、
王者関東学院の壁は厚く、5点差で涙を飲みました。
早稲田復活を印象づける年で、ここから伝説の関東学院との
6年連続決勝が始まります。

2002年度。これほど強い早稲田を見たのは初めてでした。
大学選手権の準決勝まではすべて圧勝。
この年の部のスローガンどおり、「ultimate crush」でした。
決勝戦も接戦でものにし、13年振りの優勝に感動しました。
ちなみに前回の優勝は当時監督だった清宮氏が主将だった
1989年度です。

2003年度の決勝は下馬評では関東学院有利。
不利な方が勝つこともあると期待しながらテレビ観戦するも、
完敗でした。

2004年度の決勝は31-19でしたが、点差以上の実力差を感じました。
大型新人の五郎丸の活躍が印象に残っています。

そして、2005年度。
清宮監督が早稲田史上最強のチームと言っていたとおり、
本当に最強のチームでした。
FWがこんなに強い早稲田を見たことがありませんでした。
決勝も41-5と圧勝でした。

史上2校目の3連覇がかかる2006年度。
「スターバックス」と言われたタレント揃いのバックスを抱え、
優勝間違いなしと信じていました。
決勝ではまさかの展開。26-33で関東学院に敗れました。
7点差の接戦に見えますが、内容的には大差の敗戦でした。
ここまで6年連続決勝で関東学院と対戦し、3勝3敗の五分
となりました。
残念ながら連続対戦記録はここで途絶えてしまいます。

打倒関東学院を合言葉に戦った2007年度。
部員の大麻事件で出場辞退という意外な形で、ライバルが
姿を消してしまいました。
ライバル不在の中、目標を見失うことなく優勝したのは
見事でした。
2005年度の佐々木組の次に強いチームだったと思います。

2008年度は意外な展開を見せた年でした。
対抗戦で帝京、明治に負け、危なっかしく感じましたが、
大学選手権では帝京にリベンジを果たし、優勝。

では、本題に戻ります。
早稲田は毎年優勝が宿命づけられているチームであり、
主将として選ばれた者の苦悩は相当なものがあります。

本書を読むまでは、優勝した5人の主将のうち、2004年度の
諸岡省吾は最も印象の薄い主将でした。
PRというポジションの影響かもしれません。

ところが、本書の8人の中で最も印象に残ったのが
諸岡省吾でした。

当時132人の部員の名前と顔を一致させる努力をしたり、
主力チームとC、Dチームに壁ができないようにするために
必ずC、Dチームの試合も見たりといったこともして、
大所帯の部員をまとめました。
これは前年の反省から行ったことだそうです。

また、当時の清宮監督はカリスマ監督で、清宮監督の
言うとおりにすれば勝てると思われていました。
したがって、当時のメンバーは自分で主体的に考えることを
していなかったのではないかと思っていましたが、諸岡主将は
違いました。
戦術転換の必要性を感じ、清宮監督の説得に成功したのです。
それも、ストレートに言うのではなく、どうすれば説得できるか
を考え、別な方法を使ったのでした。

諸岡省吾は部員の「清宮依存体質」を巧みにモデルチェンジし、
荒ぶるを勝ち取ったのです。

他の7人についても、どうすれば勝てるのか、どうすれば
チームがまとまるのかを悩みぬいた1年間でした。

主将としての1年間の経験は何事にも代え難く、
リーダーシップを磨くのに最適な環境だと思いました。
この経験が今後の人生に生きることは間違いないでしょう。

最後に、2009年度は大学選手権で帝京に負けてしまい、
残念ながら3連覇の夢が断たれました。
同時に8年連続決勝進出の記録も途絶えました。

来年の捲土重来を期待します。

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監督に期待するな 早稲田ラグビー「フォロワーシップ」の勝利

究極の勝利 ULTIMATE CRUSH―最強の組織とリーダーシップ論


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posted by yamataka at 08:35 | Comment(0) | TrackBack(1) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Weblog: りゅうちゃんミストラル
Tracked: 2010-04-17 11:17

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