天地人〈中〉地の巻
天地人〈下〉人の巻
今年の大河ドラマの原作です。
上杉謙信を師と仰ぎ、兜に「愛」の文字を掲げた兼続。
上杉謙信が信じた「義」が景勝・兼続主従に
受け継がれていきます。
2人は堅い絆で結ばれ、生涯を共に戦います。
「利」を求める戦国時代において、「義」と「愛」を信じた
兼続の生き様は光を放ちます。
だからこそ、上杉景勝の家臣で陪臣の立場ながら
豊臣秀吉や徳川家康に一目置かれたのでしょう。
現代人は「義」と「愛」を失ってはいないか、
問い直す必要があるのではないでしょうか。
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私が直江兼続を知ったのは、今から30年近く前、司馬遼太郎氏の
『関ヶ原』を読んだときでした。
謀将ではあるが気骨のある人という印象を持ち、徳川家康に対する
弾劾状、世にいう「直江状」は強烈な印象を残しました。
本書のテーマは「義」と「愛」です。
上杉謙信から受け継いだ「義」を行動規範とし、仁愛の「愛」を
兜に掲げるに至った直江兼続の生涯を描いています。
決して勝者の歴史ではありません。
上杉家存続の危機の連続を乗り越えていった歴史なのです。
重要な局面で兼続の行動規範となったのが「義」でした。
どのように乗り越えていったのか、上中下3巻にそれぞれ
クライマックスが用意されています。
上「天の巻」
上杉謙信の死後、兼続の主人「景勝」と北条家からの養子「景虎」
との間に相続争いが起こります。
世にいう「御館の乱」です。
どのように不利な状況を打開し、勝利を収めたか、
兼続の奇策が見ものです。
中「地の巻」
相続争いにより弱体化した上杉家に対して天下統一目前の
織田信長の圧迫が強まり、越中・信濃・上野の3方から
攻撃を受けます。
上杉家最大の危機に兼続はどう対応したか?
結果的には「本能寺の変」が上杉家に幸いしますが、
その前に兼続はあらゆる手を打って、織田軍の侵攻を
食い止めるのです。
下「人の巻」
最大のクライマックスは「関ヶ原」。
徳川家康を弾劾する「直江状」に兼続の「義」の精神が
集約されているのではないでしょうか。
家康になびく大名が多い中で、「義」を貫く姿勢は
感動を覚えます。
それは、滅びの美学でも青臭い書正論でもなく、
規模を縮小されたとはいえ、見事「藩」という組織を
存続させたものなのです。
本書から学ぶ企業経営
歴史小説は単に歴史を描いたものではなく、企業経営の面で
学ぶべきことが沢山あります。
その中で私が感じたことをいくつかとりあげます。
・上杉家を支えたのは「義」という理念。
現代企業も短期的な利益を追求するだけでは存続できない。
社会性のある「経営理念」が重要である。
・組織は状況に応じて変えなければならない。
・代がかわって生き残るかほろびるかは経営者次第。
若いころは歴史小説が好きでいろいろ読みましたが、
最近はビジネス書ばかり読んでいました。
久し振りに歴史小説を読み、新鮮でした。
同時に若い頃とは感じ方が違う自分を発見しました。
人生経験がそうさせるのであろうといい方に解釈しています。
今日から大河ドラマ「天地人」が始まります。
どんなドラマになるのか楽しみです。
天地人 前編 (1) (NHK大河ドラマ・ストーリー)
天地人 (NHKシリーズ NHK大河ドラマ歴史ハンドブック)
直江兼続101の謎 (PHP文庫)
全一冊 小説直江兼続―北の王国 (集英社文庫)
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